三州(三河)の瓦の歴史は江戸時代に遡り、日本の瓦の三大産地(三州、石州、淡路)のひとつとして広く知られています。
大都市の発展とともに栄えてきた瓦産業。中でも三州は、瓦に適した良質な粘土が大量に掘れたこと、また重量物運搬に適した海運の便にもめぐまれたことで大いに発展しました。現在も、その技術や意匠を受け継ぐ高品質な屋根材として高く評価されています。

  • 原料となる粘土は、ベルトコンベアで運ばれて土練機に入ります。
    粘土は約15〜20種類の田・畑土や山土等を混ぜて作られます。

  • 土練機で練られた粘土から空気を十分に抜いた後、帯状に押し出されます。
    空気を抜くのは焼いた時の割れを防ぐためです。

  • 帯状に押し出された粘土は瓦1枚分の長さに切られ、瓦の形をした金型に1枚ずつ入れて形を作ります。1分あたり28枚の瓦ができます。

  • 瓦の形状にした瓦は、吸盤でパレットにのせて、乾燥室へ入れます。
    乾燥室には、130℃~150℃の風を入れて、1〜2日かけて乾かします。

  • 乾燥炉内から出てきた瓦(白地)は、ハンガーコンベアで運びながら、表側にだけ釉薬を塗ります。釉薬は、粘土やガラスや金属類が水に混ざったものです。

  • 焼くために、瓦を立てて台車に積みます。
    窯の温度を徐々に上げて、1135〜1145℃で10〜14時間かけて焼きます。

  • 焼き上がった瓦は、表面のキズや釉薬の色をすべて検査します。
    瓦をハンマーでたたき、その音を聞いてひび割れが無いかをチェックします。
    瓦のネジレは自動検査器で1枚づつ測定をし、ネジレが大きいと自動ではね出されます。また1日に数枚の瓦を取り出して、寸法・曲げ・強さ・24時間の吸水率を検査し、規格に合格した瓦だけが出荷されます。